診療のご案内
閉塞性睡眠時無呼吸症候群/Obstructive Sleep Apnea SyndromeOSAS
 
閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは?

✔ 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)は、睡眠中の呼吸を妨げる問題としてよくあるものです。OSAのある人は、睡眠中に一時的に呼吸が停止するか、呼吸が浅くなります。


✔ 睡眠中に呼吸が一時停止すると、血中酸素濃度が低下し、夜間に目覚めるようになります。睡眠不足は、絶え間ない眠気のために事故の増加や生活の質の低下につながる可能性があります。

 

未治療のOSAは、高血圧、心臓病、脳卒中などの深刻な健康への悪影響を及ぼす可能性があります。それは女性よりも男性で、そして太りすぎや肥満の人々でより顕著となります。

 
兆候や症状は何ですか?

OSAのある人は、睡眠中および覚醒中に症状が現れることがあります。一般的な兆候と症状は次のとおりです。

・他人を悩ます大きないびき


・日中の眠気


・運転中の眠気


・頻回の中途覚醒


・夜間頻尿


・就寝中の呼吸停止またはあえぎ呼吸(大抵は睡眠パートナーに目撃されている)


・朝の頭痛


・眠気と倦怠感のために気分が落ち込んだり、イライラする


・治療抵抗性の高血圧

 
​予防できますか?

太りすぎや肥満の場合は、食事や運動による軽度の体重減少(10%)でも、OSAの発症を予防できる可能性があります。

 
どのように診断されますか?

・問診で病歴や睡眠の質、どれくらい休めているかについて伺います。睡眠中のいびきやあえぎ呼吸など、睡眠パートナーが目撃した症状について話をすることが重要です。


・身体検査では、心音と呼吸音を聴診し、首のサイズを測定し、咽喉頭所見から呼吸を妨げるものがないか気道をチェックします。


・OSAが疑われた場合には睡眠検査が必要になります。この検査では、睡眠中の呼吸状態、心拍数、および酸素飽和度を測定します。たいていの睡眠検査は自宅で行うことができますが、特殊な検査室で行う必要がある場合もあります。

 
治療はどうしますか?

睡眠時無呼吸に有効な治療法はいくつかあります。

睡眠パートナーがいるなら、共に話し合いの輪に加わる必要があります。

 

OSAの重症度によって、さまざまなオプションがあります。体重を減らすこと、飲酒量や睡眠導入剤の使用を減らすこと、睡眠時の体位を変えるための工夫(仰向けにならないようにして横向きで寝るために背中にテニスボールをつけるなど)をするなど、ライフスタイルの変更を提案することもあります。


OSAのほとんどの患者は、持続的気道陽圧法(CPAP)療法によって症状が大幅に改善します。これは睡眠中に鼻にマスクを着用する方法です。マスクは機械に接続して、気道に空気を押し出して気道閉塞を予防します。機械がどのように作動し、どのように維持するかを理解することが重要です。CPAPでは、マスクの装着不良または不快感、鼻づまり、気道の乾燥などの問題が起こるかもしれませんが、これらは容易に修正可能なので、心配なら担当医に相談してください。就寝時は常時機械を使う必要があります。すべての機械には、さらなる使用上の注意事項とフィードバックを提供するガイドが付属しています。


個々の状況に合わせて、口腔内装具手術療法などのOSAを治療するための他のオプションもあります。自分にあった最良の治療方針について主治医と相談してください。

 
さらに詳しく・・・やや専門的に

定義
・睡眠時に無呼吸が繰り返され、睡眠の分断化、深睡眠の減少により日中過度の眠気等を伴う病態
無呼吸とは、10秒以上の口と鼻での気流の停止
睡眠1時間あたりの無呼吸低呼吸指数( apnea hypopnea index : AHI )が5以上で、無呼吸に伴う自他覚所見を伴う場合を睡眠時無呼吸症候群という。AHIが5〜15未満(軽症)、15〜30未満(中等症)、30〜(重症)とする。

分類
閉塞型(最多);アデノイド、下顎発育不全、肥満などが誘因
・中枢型;重症の慢性心不全、脳卒中など
・混合型;はじめは中枢型で、次第に閉塞型に移行する

疫学
有病率は、成人男性の約3〜7%、女性の約2〜5%にみられ、
男性では40〜50歳代が半数以上を占める一方、女性では閉経後に増加する傾向があります。

病態
閉塞型では、上気道閉塞に伴う無呼吸、低酸素血症、交感神経系の活性化、無呼吸解除時の覚醒を睡眠中に繰り返す。

症状
・睡眠時の症状は、
いびき異常体動中途覚醒夜間頻尿
昼間の症状として、傾眠、頭痛、集中力の低下
・昼間の眠気の程度を調べる問診票として、ESS( Epworth Sleepiness Scale )があり、8つの質問に0〜3点までの点数をつけて、それらを合算して評価します。10点以下は正常、12点以上は中等症、16点以上は高度の傾眠となります。ただし、SASであっても「眠くない」、「眠気を自覚していない」という方もいるため注意が必要です。問診では診断できません。

検査
・スクリーニング検査:口鼻気流、胸部・腹部運動、酸素飽和度、心電図などを同時測定
  ⇒ 
簡易型PSG検査( PSG : polysomnography ):偽陰性が多いので、除外診断には用いない。
・精密検査:
終夜睡眠PSG検査
 ①睡眠stageをみるための脳波、眼電図、筋電図
 ②換気機能をみるための胸郭・腹部の換気運動、口と鼻の気流、酸素飽和度を中心に測定する

治療


生活習慣の改善および増悪因子の除去


・減量、鼻閉治療(点鼻薬)、睡眠薬の内服禁止、節酒、側臥位での就寝、アデノイド切除、口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)など


経鼻的持続陽圧( nasal CPAP : Continuous Positive Airway Pressure ):AHI 20以上(簡易PSGでは40以上)で保険適応。装着した鼻マスクから呼吸に合わせて送気して圧を与え、軟口蓋や舌を持ち上げて上気道を開きます。これにより、いびきや無呼吸をほぼ解消させることができます。この治療により、およそ半数の方が劇的に症状の改善を認めます。月に一回、医療機関を受診する必要があり、機器のレンタル代を含めると、3割負担の方で月5000円前後の負担となります。アドヒアランスが問題となる場合は、まず4時間以上、70%の装着率が目標になります。


口腔内装置(マウスピース):nasal CPAPの適応とならない軽症例や、CPAPの継続が困難な場合。保険適応で自己負担は1〜2万円程、歯科専門医により歯並びや顎の形に合わせてオーダーメードで作成されます。口腔内装置の利点は、一度作成すればCPAP治療のように毎月受診する必要がなく、持ち運びにも便利です。AHIの改善は期待しにくいですが、自覚症状や合併症の改善効果はCPAPと同等とする報告もあります。

OSASの合併症
・高血圧症、不整脈、肺高血圧症、右心不全、多血症、虚血性心疾患、脳血管障害など
心血管系の合併症が死因になることが多い
飲酒、睡眠薬、鎮静薬投与は症状を悪化させる
apnea hypopnea index( AHI )が30以上では明らかに生命予後が悪く、主に心血管系合併症が主因である( 健常人の約5倍