新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療について

(予防)
不要不急の外出は避ける(うつされるだけではありません。うつす可能性もあるのです。)
マスクの着用うがい(30秒以上)、手洗い(指を念入りに一本ずつ、手首まで洗う)


(検査)
◯PCR検査は保険適応となったが、必要に応じて行政検査として
実施
◯PCR検査は絶対ではない(偽陰性が多い)
◯疫学的意味を除けば、感冒様症状の方を全員検査する意義は低い


(治療)
治療薬はなく、対症療法や支持療法となる。
◯新型コロナウイルス感染症でも、その
8割が軽症例で自然治癒するので、

 感冒様症状があってもまずは自宅療養(早期受診は避ける)
◯ポイントは
重症化の傾向を適切に把握すること。
 症状が4日以上(高齢者、持病のある方、妊娠女性は2日以上)続いて改善しないとき、または息苦しさや

 呼吸困難などの症状が急激に悪化するときは、各保健所の相談センター(新型コロナ受診相談窓

 口)に電話相談する。

概要
2019年12月に中華人民共和国湖北省武漢市から始まった新型コロナウイルス感染症(COVID−19)は、世界保健機構WHOがパンデミック(世界的大流行)を宣言し、日本でも1月16日に最初の患者が報告されて以降、市中感染例が次々に報告されています。感染者の増加とともに重症例が増えることも予想されます。
新型コロナウイルス感染症の発症初期は感冒様症状のみを呈し、他の疾患との区別が極めて難しいため、早期に受診する利点はありません。また、早期受診により待合室などで感染が拡大する恐れがあり、症状があるにもかかわらず無理をして外出した場合には、外出先で感染を拡大する恐れもあります。これらのことから、
感冒様症状の方は、発症初期には自宅療養し、不用意な外出は避けていただく必要があります

 

症状が軽い時は自宅療養してください
普通の風邪も新型コロナウイルス感染症も、症状が出てから最初の数日は区別がつきません。
症状が出てすぐに受診しても、新型コロナウイルス感染症と診断することも、「違う」と診断することも困難です。
◯仮に診断できても、
肺炎や重症化を予防する治療薬はありません
新型コロナウイルス感染症の大半は、風邪と同じ軽い症状のまま自然に治癒します(そもそもコロナウイルスは一般的な風邪のウイルスです)。
◯風邪の症状が出ても、最初の数日間は受診せずに、外出を避け、
自宅療養してください。
自宅療養の期間は、一般の方は4日間、ご高齢の方、持病のある方、妊娠中の方は2日間です。
◯自宅療養中は、1日2回(朝・夕)体温を測り、体温と測った時間を記録してください。

自宅療養に不安がある時は、当院まで遠慮なく電話にて相談してください

*ご近所に高齢独居の方がいる場合
新型コロナウイルス感染症に限らず、具合が悪く床に伏せていても、病状に気づいて適切に対応することが困難と思われます。
残念ながら、高齢独居の方の体調管理に対する具体的な指針は示されていません。
地域住民のネットワークで、対処していくことが重要になります。
毎朝挨拶していたのに姿が見えない、郵便物がそのままになっているなど普段と違う様子に気づいたら、市町村の福祉課や地域包括支援センターなどに連絡してください。

症状が4日以上(高齢者、持病、妊娠では2日以上)続いたら、相談センター(新型コロナ受診相談窓口)へ電話相談してください
◯自宅療養を行うと、
普通の風邪であれば、通常は3〜4日間で自然に治っていきます
発熱、咳、喉の痛みなどの感冒様症状が4日以上続いた場合や、4日未満でも呼吸が苦しくなるなど症状が悪化する場合には、相談センター(新型コロナ受診相談窓口)に電話で相談してください。
ご高齢の方や持病のある方、妊娠女性は、新型コロナウイルス感染症が悪化しやすいと考えられていますので、感冒様症状が2日以上続いた時点で、電話相談してください。
◯待合室で他の患者さんにうつさないようにするため、
事前連絡なしで直接医療機関を受診することは避けてください

受診の方法
相談センター(新型コロナ受診相談窓口)に電話相談すると、担当者から症状の経過や持病の有無などの質問があります。
その上で担当者が受診の必要性を判断し、受診する場合には専門病院とかかりつけ医療機関のどちらが良いか判断します。
担当者から指示された医療機関以外には決して受診しないでください
◯受診する場合には、
咳やくしゃみがなくても、必ずマスクをつけてください

自宅療養中の家族内感染の予防について
◯感冒様症状の方は、できる限り家族との接触を避け、療養する部屋も分ける。
◯看病が必要な場合は、看病する人を限定する(一人が望ましい)。ただし、
高齢者、持病を有する方、妊娠女性には看病させない
タオルは共有せずに別のものを使用する。
◯入浴は最後にする。
◯療養する部屋から患者が出るときは、
マスクをつけ、部屋を出る直前にアルコール手指消毒をする。
◯患者が触った箇所(ドアノブや手すりなど)をアルコールを浸した紙で拭き取り消毒し、拭き取った紙はすぐにゴミ箱に捨てる。
定期的に部屋の窓を開けて換気する(目安:1〜2時間に一度、5〜10分間程度)。
◯使った衣類やシーツを洗濯する際は、手袋とマスクをつけて洗濯物を扱い、洗濯後には十分に乾燥させる。
患者が出すゴミはビニール袋に入れ、しっかりと口を縛って密閉してから部屋の外に出す。ゴミを扱った直後はしっかり手洗いする。

新型コロナウイルスPCR検査について
◯2020年3月6日時点で新型コロナウイルスのPCR検査が健康保険適応となりましたが、
行政検査として実施するため誰でも希望者が受けられる検査ではありません
◯PCR検査でも偽陰性があり、新型コロナウイルス感染症患者であるにもかかわらず、誤って陰性となり見逃される患者が一定数いるということになります。
今後検査件数が増加すると、偽陰性で見逃される新型コロナウイルス感染者も増加することになります。


*新型コロナウイルス感染パンデミックでのインフルエンザ迅速検査について
感冒様症状が見られる場合には、インフルエンザの可能性も考えられます。しかし、これまでにも提示してきたようにインフルエンザ診療に迅速検査は必須ではないこと(感度60%程度)、検体採取の際に医療従事者への感染リスクが高まること、そもそもインフルエンザ迅速検査の結果に関わらず新型コロナウイルス感染症の疑いが強いとも弱いとも判断できないことなどから、当院では、インフルエンザ迅速検査は原則行わないこととします。

◎最後に・・・
散歩にでかけましょう(帰宅したら、しっかりと手洗い、うがいを)。
世の中には読みきれないほどの良書がたくさんあります。読書でもして自宅でゆっくり過ごしましょう。
近くに一人暮らしの方がいたら、きっと不安に思っているに違いありません。もし可能なら電話などで連絡してみてください。

不安なときは、どうぞ、かかりつけの先生に遠慮なく相談してください

一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会
「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引きversion4.2」を参考に作成。