top of page
片頭痛とは
『 片頭痛 』とは?

✔ 片頭痛は繰り返し起こり、激しい痛みに加えて、吐気や脱力感などの症状をも引き起こすという点で他の頭痛とは異なるタイプの頭痛です。

頭痛は多くの場合は片側で、数時間から数日間続き、日常生活に影響を及ぼします。時に光や音に敏感になり、遺伝することが多いと考えられています。

症状は
どのような症状か?

・ズキズキするまたは拍動性の頭痛


・光や音に敏感になる


・吐き気と嘔吐


・片頭痛によっては前兆があり、頭痛が始まる前に、光の点滅やフラッシュ、ジグザグした線などが見えることがある
 

・顔や腕にピンや針で刺されたような感覚や脱力感、接触感(触られている、掴まれている)
 

・思考や会話への影響

片頭痛には4つの異なる段階があります。片頭痛のたびに、常にすべての段階を通過するとは限りません。
 

①前駆症状
 この段階は、片頭痛を発症する最大24時間前から始まり、食欲の増進、気分の変調、あくび、体液貯留、頻尿などの初期の兆候や症状があらわれます。


②オーラ
 この段階がある場合、光の点滅または明るい光またはジグザグの線が見えることがあります。脱力感や接触感を感じる場合もあります。オーラは片頭痛の直前または片頭痛の最中にも起こることがあります。


③頭痛
 片頭痛は通常、徐々に始まり、その後、次第に強くなります。そして多くの場合、頭の片側で、ズキズキする痛みや拍動性の痛みを生じます。しかし、時として頭痛を伴わない片頭痛を起こすこともあり、その症状には、
 ・光、音、臭いに対して過敏になる
 ・吐気、嘔吐
 ・動いたり、咳をしたり、くしゃみをしたりすると痛みが悪化する
などがあります。


④ポストドローム(頭痛の後)

 片頭痛の後、倦怠感、衰弱、混乱状態になるかもしれません。これは最大で終日持続することがあります。

片頭痛は朝によく起こり、頭痛で目が覚めることがたびたびあります。月経前やストレスが多かった週の週末など、人によっては片頭痛が予測できる場合もあります。

原因は
​片頭痛の原因は何ですか?

片頭痛には遺伝的要因があると考えられています。

遺伝の他にも片頭痛を引き起こす可能性のあるいくつかの要因が知られています。これらの要因は個人差があり、次のようなものがあります。

・ストレス
・不安
・女性ホルモンの変化
・明るい光または点滅する光
・大きな音
・強いにおい
・薬剤
・睡眠不足、睡眠過多
・天候や環境の急激な変化
・過度の運動(過度の身体活動)
・喫煙
・カフェイン摂取またはカフェインの離脱
・不規則な食事
・薬物乱用(片頭痛の薬を頻繁に服用する)

他の誘引との組み合わせにより、特定の食品または成分が頭痛を引き起こす場合があります。これらの食品と成分には次のようなものがあります。

・アルコール
・チョコレート
・熟成チーズ
・グルタミン酸ナトリウム
・ある種の果物とナッツ
・発酵食品または漬物
・加工肉

リスク
片頭痛のリスクがあるのはどのような人ですか?

米国では約12パーセントの人が片頭痛を患っています。女性は男性の3倍片頭痛が多いとされます。
片頭痛の人にはほとんどの場合、家族に片頭痛の人がいます。うつ病、不安神経症、双極性障害、睡眠障害、てんかんなどの他の疾患がある場合も片頭痛が多くみられます。

診断
どのように診断されますか?

自覚症状や片頭痛の家族歴について伺います。

また、頭痛が他の原因に起因するものかどうかを確認するため、身体検査を行います。


通常、片頭痛を診断するには、問診と診察で十分です。

もし異常が見つかれば、核磁気共鳴画像法(MRI)やコンピューター断層撮影法(CTスキャン)などの画像検査が必要になる場合があります。ただし、実際にこれらの画像検査が必要になることはほとんどありません。

治療は
どのように治療しますか?

片頭痛は通常、ライフスタイルの変更や、アセトアミノフェン、アスピリン、非ステロイド性抗炎症薬などの痛みを軽減する薬で治療します。制吐薬を服用する人もいます。
もしも片頭痛がひどいときは、
トリプタンという薬剤により症状の持続時間と強さが改善する可能性があります。薬を早く服用すればするほど、効果が高まります。

また、頻繁に片頭痛があるなら、他のいくつかの薬で頭痛の頻度を減らすことができるかもしれません。
自分の片頭痛に最適な薬は何であるか、主治医に尋ねてください。
これらの薬剤をいつ、どのように服用するかを理解することが重要です。

特定の薬を頻繁に使用すると、かえって片頭痛が悪化することがあります。

新しい治療方法として、抗体医薬が登場しています。

片頭痛は、脳内に CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチドの略)という物質が増え、脳の血管に作用して起こるといわれています。このCGRPのはたらきを抑えて、片頭痛発作が起こるのを予防するものです。  >> 詳細はこちら

気分を良くするためにできることは他にもあります。


静かに部屋を暗くして目を閉じて休む
額に冷たい布や保冷剤を置く
水分摂取

片頭痛を防ぐためにできるいくつかのライフスタイルの変更があります。


・運動、リラクゼーション法、バイオフィードバックなどのストレス対策は、片頭痛の頻度と強さを軽減する可能性があります。バイオフィードバックとは、電子機器を使用して、心拍数、血圧、筋肉の緊張などの特定の身体機能を制御する方法です。


片頭痛を引き起こすと思われるものを記録します。特定の食べ物や薬剤など、避けたほうがよいものが何であるかを知ることができます。また、安定した睡眠リズムの確立や規則正しい食事の摂取など、何をすべきかを理解するのにも役立ちます。


・ホルモン療法は、片頭痛が月経周期に関連していると思われる一部の女性には有効である可能性があります。


・肥満の場合は、体重を減らすことも有効かもしれません。

リボフラビン(ビタミンB2)やコエンザイムQ10などの特定の自然療法は、片頭痛の予防に役立つ可能性があります。

マグネシウムレベルが低い場合は、マグネシウムを摂取してみてください。

片頭痛を防ぐために摂取するハーブ、西洋フキもあります。しかし、西洋フキは近年、肝毒性や発がん性などの問題が指摘されており、長期間の使用は避けるべきでしょう。

 

いずれのサプリメントを服用するにせよ、必ず事前に主治医に確認する必要があります。

自己管理
自己管理するにはどうすれば良いですか?

片頭痛は、特定の食品やストレスなどの「トリガー」によって引き起こされる可能性があります。

一般的なトリガーには次のものがあります。

・特定の食品:コーヒー、紅茶・お茶、炭酸飲料などのカフェインを含む飲み物
・ある種の人工甘味料
・グルタミン酸ナトリウムのような化学調味料
・睡眠不足、睡眠過多
・運動不足
・ストレス

これらを避けることで予防に繋げられる可能性があります。

片頭痛の原因や、持続時間、強さ、何によってよくなったか等を片頭痛日記につけることもお勧めです。
無料の印刷可能な頭痛日記は、American Headache Societyから入手できます。https;//americanheadachesociety.org/patient-education

抗CGRP関連
抗体医薬:抗CGRP関連薬について
抗CGRP関連薬の比較
抗体医薬の比較.png

現在のところ抗体医薬として、エムガルティ®アジョビ®アイモビーグ®の3剤が利用可能です。


このうち、エムガルティ®、アジョビ®は抗CGRP抗体であり、アイモビーグ®は抗CGRP受容体抗体であり、これら作用機序は異なるものの臨床試験の成績に大差はありません。CGRPの放出を抑える薬剤としては、従来よりトリプタン製剤が利用されていますが、これらのCGRP関連薬はトリプタンの作用を増強して効果を高めるという報告があります。


CGRP関連薬に期待される効果は、実は従来の片頭痛予防薬と同様であり、片頭痛が起きなくなるというより、起きても痛みがかなり弱くなるため気にならなくなる、片頭痛に気づかないので回数が減ったように感じる、というものであり、決して「最後の切り札」という位置づけではありません。必要に応じて使用したりやめたりすることが可能です。

 

使用に際しては、以下の全てを満たすことが必要になります。


✅前兆のある又は前兆のない片頭痛の発作が月に複数回以上発現していると医師が確認している、又は慢性片頭痛であると医師に診断されていること。


✅(頭痛ではなく)片頭痛が過去3か月以上にわたり、平均して1か月に4日以上起きている。


✅従来の片頭痛予防薬の効果が不十分、または副作用により内服の継続が困難である。


✅睡眠、食生活の指導、適正体重の維持、ストレスマネジメント等の非薬物療法及び片頭痛発作の急性期治療等を既に実施しているが、それらの治療を適切に行っても日常生活に支障をきたしている。

✅妊娠中・授乳中は、「慎重投与可」


✅18歳未満は「使用不可」

 


注意事項

注射したところを強く揉むのは避けて下さい。接種後も入浴、内服薬などの制限はありませんワクチン接種などにも制限はありません

bottom of page